ミリキタニの猫

2007年9月17日 映画
ミリキタニの猫
映画館は満員だった。プロモーションが成功しているんだろう。明るい色彩と、まるで啓蒙チックでない作り方がよかった。
でも、前半がんこに日系人収容の米国の非人道に怒って毎日狂気のように路上で絵を描きながらぶつぶつ演説していた人と、最後こぎれいになって社会的な居場所を得、老人ホームで絵を教えたりしている愛すべき好々爺とが同じ人物であるとは思えなかった。
アメリカ人の若い女性監督とその猫と棲んで心をやわらかくしていく愛の物語として観る人も多いだろう。(性愛ではない)
でも、それってどうなのかな、とあまのじゃくとしてあたしは思うのだった。狂気のままに人知れず死んでゆくアーティスト。
そういう生き方に憧れさえする。生きているうちに人に認められるなんて、いうことは稀有なことで。ミリキタニが「ふん! 商業アートのやつめ」と吐き捨てるようにいうシーンがいい。
それでも、全体的に過剰でないのがいい。

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