どこへ

しごとで、世界的にもうかっている某企業に行く。
どうしてこんなに世の中は不平等なのだろう、というような匂いがする。でも、担当者は妙に人間的でいい人だったりする。
どうバランスをとっているのかな。
うちみたいな中小企業ですら、きしきしして、たいへんな毎日だっていうのに。

残業しながら、信頼している後輩ちゃんと話していた。後輩といっても彼女ももう10年選手で。
お互いに中堅で、全体を考えつつ自分の位置を決めつつしごとをいろんな身分のスタッフにわりふりしなくちゃならない、役どころではある。いろんな人や組織の限界もわかっている。
「あと2年ぐらいでもう休みたいと思って」といわれた。
「えっ、それって退職するってこと？」
「こんなふうに事務マシーンのようにして追われて、続けていかれそうもないと思って」
ちょっとだいぶ落ちた。
ふだん言えないから言ったんだろうけど、
ふだんマイペースの彼女がそういうということは、もう後戻りできないところまでみんなきてるということだ。

彼女が帰り、
仕事を片付けて、もうふに電話した。
「どーお？」
聞かなくてもすごい声だった。
「まだ悪いんだねー」
それで、予定外だったが行ってしまった。

今日はお酒のほか、うどんを煮る材料を買っていった。
「なんだかあたしたち、志向が似ているよね」
「契約関係じゃないからね。契約の場合はちがう資質の人と組んだほうがうまくいくけどね。これからどうなるだろう」
「でもほんとのところはちがったりもするから・・・」
ってな、変な会話を、具合の悪い人と飲みながらしていた。

仕事の契約も、家庭生活の契約も、恋愛に契約はないにせよ、先行き皆目見当もつかない。。。