夏石鈴子について

2010年10月10日 日常
何日か前、夏石鈴子のエッセイについて書いた。
会社員をしながら夜中に原稿書いている、子どもも育てながら
っていうのにけっこう驚いたんだ。

けれどエッセイの最後のほうで
父はDV男であったことが書かれていて、だから早く自立したくて
そうして過ごした20代は、ココロの穴ぼこを埋めるようにオトコと付き合い、
セックスをしていたことが書いてあった。

「趣味と実益」と書いてあったけど、
「趣味」は穴が一時的にせよ埋まること。「実益」がこれはすごくて
その体験を反芻して作品を次々書いちゃうことだと思った。
つまり、さびしく空いた穴を埋めようとセックスをする、
そうやって生きてる自分を定着させようと作品に書く、それでいくばくかも得る
ということ。

自分の身をきって書いているんだなと思ったら
ピュアで切ない文章が得意なはずだ。
おすすめはやっぱり『バイブを買いに』(角川文庫)です。

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