ふりかえる

2010年10月30日 恋愛
あなたと会ったとき。
あたしは失意の日々のなか
大きな耳に魅せられ
ずっとずっと以前から知っていたひとに会ったような気がした。

まわりのひとからもそういわれた。
「あなたたち、ずっと前からの知り合いなんですか」
「いいえ」と答えたけれども、
ずっとずっと以前からいっしょにいたような気がした。
あなたが好きなもの、価値があると考えること、ものごとの志向が
わたしたちは似ていた。
いわなくてもいろんなことがわかった。

これまでどんな経験をしてきたのかについて
むさぼるように聴いた、恋の季節。

それから1年もしないうちに、その人は大病をし
生きのびたことがうれしかったあたしは
「あたしはあなたのなんでしょう」と聞いた。
「ボクの一部」とそのひとはいった。
それはふしぎな感覚で、同様に、あなたもあたしの一部だった。

すでにそれから、3年半もたってしまいました。


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