新春の海辺

新年は毎年太陽に近い海辺を一緒に歩くことにしている。
その疲れ具合で、あの人の体調を測れたりもする。
2007年は「つかれる、やすみたい」と歩きながら言っているなと思ってたら
まもなく大病をしてしまった。
2008年は気の進まない変なＩＴ系仕事に苦労しており
どこも行けなかった。２月まで具合悪く、お見舞いに行ってばかり。
それが「このしごともうやーめた」と宣言したとたんに元気になった。
にんげん、げんきん。しょうじき。
2009,2010年はフェリーに乗って出かけた。
そして今年は
足が痛いと長いこと言っているので大事をとって、近場の◎◎島に。
駅でコロッケを買ってむしゃむしゃ食べた。
海沿いの電車から海が一望にみえる。心が広々。。。

島の中は神社がいっぱい。さすがに参拝客で混んでいた。
「おなかがすいた」というので
昔からある観光っぽくない地元の店でお刺身定食など、早いお昼を食べる。
新鮮だからなんだろう、突き出しのアジフライと自家製塩辛がおいしかった。
見晴らしのいい茶屋でビールを飲む。
器の店など見て、自分用に桜のもようのついた赤いお椀を買う。
島を出てから、大正初期の建物というたたむ途中の旅館で
旅館で使っていた古い器のセールをやっていた。
おもしろくてはまる。売りものじゃなかったけど、火鉢なんてすてきだった。
ふるめかしい大きな洋皿を2枚買う。1000円なり。
スパゲティナポリタンをつくって今度これに盛って食べたらおいしそうだ。
あの人は朝食に出てくるのりが入っているようなふたの付いた四角く赤い木づくりの入れ物を買った。少し大きめだから、のりじゃなくて、お茶菓子が入っていたのかな。
ちょっと変わったコレクションをしているのでそれを入れるんだなと思った。

それからまたとことこ電車に乗ったらちょうど日が落ちる時間で、
電車の中いっぱいに夕日がさしこんで海にきらきら反射して幸せな気持ちになった。
なんだかよいことありそうな年明けです。

降りて今度は彼の友人がやっている欧風居酒屋へ。
料理がとても上手な男性なのだ。
安くておいしいものを出してくれるのでつい食べ過ぎる。
旧交をあたためていた。わたしも知っている人。
でも普段会わないので気が楽。
「なに？　初もうで？」と聞くので「島に」というと
「えっ、あそこは女の神様だから、カップルで行くと別れたりするんだよ」
と縁起でもないことを言われる。
昔、自分の身に起きたのかもしれない。
負けないもん。

もうふの部屋で少し休憩してから今日は帰ってきた。
「やっぱり足が痛いよ」と言う。さすってあげた。ちょっと心配。
でも、今年もがんばる。
あすから、平常通り。